m100 舞台裏、或いは単なる雑談
電話にて。
「もしもーし。戯華ーどうやら二年一組の中で勝率トップらしいじゃない。おめでとう!」
「……。」
「……もしもーし。なんとか言いなさいよー。」
「あ、いや、うん。そのようね」
「勝率一位なんだからもっと素直に喜びなさいよー。」
「うん、まあそれはそうなんだけど。まだ第零回戦を突破できるって決まったわけじゃないし」
「いや、戯華ならきっと突破出来るって! 勝率80%超えてるんでしょ?」
「それでも、私を下す生徒はいるわ。その人と当たったら負け」
「いまからそんなに悲観的でどうするのよー。」
「……。
あなた、あなたが明日よりあとまで生きている確率は、きっと今日死ぬ確率よりずっと高いわ。
それはもう、80%どころではない。もうほとんど、あなたは今日を生き抜けるといっていい。
……それでも、今日死ぬ確率は、ゼロじゃないの。
わかる? ……私は、死ぬのよ。あなたが思っているよりも、ずっと簡単に」
「それでも、……」
「というか、あなたが私を殺せる生徒の筆頭じゃない、零歌。
あなたがここにいなくて、本当によかったわ」
「それはどういう……」
「まあ、せいぜい生きて帰ってこられるように、頑張るわ」
「……そうよ! 絶対生きて帰ってきてね! 私以外に殺されるなんて承知しないんだから」
「その台詞、結構危険だから口に出さない方がいいわよ。
……それじゃ。そろそろ切るね」
「うん。頑張ってね!」
「……」
「…」
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第零回戦、勝ち抜けると良いですね。