『サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し』『サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄』西尾維新

読むのに3日間も掛かってしまった。
分量(文量)が多かったせいではない。この程度、4時間もあれば読みきれる。
じゃあなんでかっていうと、これはもう前半部のつまらなさに尽きる。
あまりに説明が多すぎて(というより冗長すぎて)、萎えてしまうのだ。
いや、これは昨今のライトノベルにおいては、既に問題視されている現象ではあるが……
それにしても、西尾氏の文章は余分な部分が多いとは思う。


後半部の疾風感はよかった。
(小説において後半部がクライマックスでないことの方が珍しいが)
ミステリィミステリィとして読まず、
普通の小説と同様に読む(要は「犯人探しをしない」)僕としては珍しく、
犯人の存在、或いはトリックを文章で明かされる前に読み解いた(読み解けた)。


それにしても、≪語り部≫は、僕よりずっと記憶力がいいと思う。
物語にさんざ登場してるにもかかわらず、
人名を本の最初に有る登場人物紹介を時々参照しなければ把握できない程度の能力では、
前の巻の登場人物の名前を思い出すにも一苦労である。